twonaの日記

2008-03-14むなむなダーと王子様・15

うどん屋さんにて

「師匠さん、大丈夫!?」

フィリオリ達が慌だしく未識の店に駆け込む。

「ぉう、来たね」

イツパが未識の店の大黒柱に縛り付けられ、悄然と怒りがない混ざった雰囲気のトゥーナの前で手招きをしている。

「…何、師匠さんが縛り付けられているのよ」

「いや、何回か飛び出そうとしていてね。仕方ないから縛り付けたのさ」

肩をすくめてラムポが言う。

「さて、師匠。もう一度詳しく事情を話してくれ。私達が手伝うからさ」

と、ロープを解く。

「…分かった」

ゆらりとだが、立ち上がるトゥーナ。そして事情を話し始める。

その話が終わった時、集った仲間達で驚きと困惑を見せていない者は居なかった。

「改めて聞くとビックリするよね、まさか詠香ちゃんを出し抜くとはね。今の技術でそれが可能なんかな」

ラムポが顎に手をあてて聞く。

「少なくとも、今までにそう言う事は無かったさ」

「と、言う事は…古代遺物を所持している可能性の高い奴等の仕業だろうね。大聖堂の奴等か?」

「いや、奴等の動きは無いはずだよ。カプラサービスでは、不審な空間移動を使った人は居ないらしい」

「でも、陸路から入った可能性はあるじゃないか?俺達だけでフェイヨンの入国を把握出来るとは限らないしな」

と、しろかぜ。

「そうだね。プロンテラから直接陸路から来なくてもアルベルタからの陸路ルートもあるね」

かの街にもカプラサービスがあり、空間移動を使える。

「うーん…」

色々な可能性を思い付いて、その多さに考え込む一同。

「ちょっと待って」

フィリオリが口をはさむ。

「もし、大聖堂の人達だったとして。マナちゃんは何処にいるのかしら?たとえ、ここへの侵入が容易だとしても、人を一人捕らえたまま運び出すのは至難の技よ?」

「行きは良い良い、帰りは怖い。の法則だね」

「そう、それに今は日が高いわ。塀を越えるのも簡単には行かないでしょうね。人目もあるし」

「だが、抜け道なら俺らでも知っているぜ?そこから出る可能性は?」

「そう言った所は、警備兵士もまわっているでしょ?昼間だと、見回りも異常を発見しやすいしね。そこからの脱出には相当リスクが高いわよ」

「ふむ、と言う事は。まだマナちゃんはフェイヨンに居るって事か?」

「可能性はあるわね、師匠?」

「…なんだ?」

「詠香ちゃんが、その索敵機能が及ばない相手の情報が無いかの確認はとれる?」

ややあってトゥーナが答える。

「あまり分らないそうだ。かなり高度な電子戦…いわゆる古代遺物の索敵能力同士の殴り合いをするのに長けた古代遺物はあるが、詠香の能力を超えるものはそれほど数はなかったらしい」

「と、言う事からすると。貴重な古代遺物を持っているとすれば…」

「だから、大聖堂の仕業じゃないかと言っているんだ!」ダンッと机に拳を振り下ろしてトゥーナが叫ぶ。

「声が大きいわよ。でもさ、そう言った技術なら大聖堂だけじゃ無く、規模のある組織なら多かれ少なかれ持っているんじゃないかしらね」

「…その可能性はある。だが俺は一度も見た事は無いぞ」と、一夜。

ギルドに顔が効くしろかぜとシニャも頷いている。

「最秘奥か、それとも持っていないかって事ね…だとすると。相当の規模がある組織しか持ってなさそうね」

「…そこはどこだ?」

「まずは国よ、その国家中枢あとは古くからのギルド。私は師匠さんの力は見て居ないけど、その力や技術を欲しがる国や組織はたくさんありそうね…。特に国家って言うのは、力を独占しないと気がすまない病気にかかる事があるし。そして…ここフェイヨンでもそれは変わらないはずだわ」

「王家が絡んでいるわけかよ…」

「…少し、厄介…ね」

「飽くまでも可能性だけどね」

「国とやり合うのは得策では無いんじゃないかね」

「確かにね。でも、ただ殴り合うわけじゃ無いわよ。戦略的に行きましょう」

「例えばどんな?」

「各ギルドを動かすのよ。今回の件が国がやっているなら、多分マナちゃんを誘拐したのはイヅチ王子の近辺の可能性が高いわ。彼は武断派で、強行派には人気があるけど、それはフェイヨンでは少数派よ、権力があるのはひとえに第一王子という地位があるからね。それに対して第二王子のナリスナ王子は内政への評価は高く、支持者は多いわ」

「ただ、それだけでイズチ王子と断定は出来ないだろう?」

「彼を疑う根拠としては、彼の支持は高くないと言う事が上げられるわね、その状況を変えるために古代遺物の力を得る事で、フェイヨンのそれを他国から優位にさせる必要がある状況になりつつが考えられる事と、武断派である彼が、無邪気に力を求めている可能性がある事かな」

「そんな可能性があるのか?」

「一番可能性が高いのは前者ね、私達が知らない戦いでフェイヨン王家がそれに対して焦りを覚えている可能性…そしてそれに勝つためのなんらかの意図があってマナちゃんを誘拐したって言う事…その原因に古代遺物関係の事があるんじゃないかしら?」

「確かに、マナちゃんを誘拐するにしても、他の要因は無いしな。あの子は普通にしていれば、ただの可憐な女の子だろうし」

イズチが、色を好むと言う事を除けばだが。

「全て状況証拠だけど、どうかしら?」

「大聖堂の奴等の可能性は、そう考えると低いわけか…」

少し冷静になったトゥーナが呟く。

「大聖堂が来るにはリスクが高いわね。機械人形だっけ?が相手だと私達だとやれる事は少ないわ、私達だけでやっと一体倒せるのが精一杯。でも…」

「ちょっと待て。あいつらと戦ったのか!?」

フィリオリの言葉を遮ってトゥーナが焦った様子で口をはさむ。

「うん、昨日ね。封鎖区域でサルベージ中に一つのパーティが全滅、こちらも私が重傷かな」

心持ち、昨日負った傷のあたりを押さえながらフィリオリが言う。

「だから、私は考えたの」

「何をだ?」

「機械人形は、大枠のところでは人に従っているように見える。だから、直接機械人形と事を構えないでも、その上を抑える事で動きを止める。これは、他の古代遺物についても適用出来るんじゃないかしら?」

フィリオリのこの案に、イツパ達が沈黙する、その案の突飛さと斬新さがその理由だ。

「だから、少なくともフェイヨンにおいては、中枢が何を考え、動いているかを把握する必要がある」

沈黙したままのラムポ達に話を続けるフィリオリ。

「…多分、それが有効かも知れないね」

沈思していたラムポが答える。

「で、彼を頼るのか?」

ノデンが話の発端へと言葉を戻す。

つまりは、ナリスナを味方とみなすと言う方向についてだ。

「確かめて、敵じゃ無かったらね」

「ラムポさん」

「なに?」

フェイヨン商店街の案件で、ナリスナ王子との繋ぎをとれるものがある?」

「うーん…。セルーの新規輸入ルートの件が大詰めだね。あとは価格で最終調整かけるだけさ」

「その話があるって事で、城内に入れる?それも急に」

「今すぐかい?」

「ううん、でも三時間以内に…」

「あぁ、簡単に言ってくれるね」

ぺちっと額を叩いて、イツパが天をあおぐ。

「入れたとして、どうするんだぃ?」

「交渉のテーブルで、彼の人柄を確認する。信用できそうだったら。協力をしてもらうわ」

「おい、それじゃ遅くないか?マナを取り戻すには時間が足りない」

苛立ちを言葉に乗せて、トゥーナが言う。

「その話はちょっと待って」そう、トゥーナを制してから言葉を続ける。

「ナリスナ王子を窓口に、フェイヨン王家との共闘体制をとれるようにする。これは長期にわたる布石ね。そして…師匠さんには…」

言いかけて、トゥーナを見上げる。

「今回は、マナちゃんを誘拐したのが王家だった場合。暴れてもらうわ」

「はぁ!?」

あまりにも唐突な提案に、一堂は驚愕の声を上げる。

「…なに…よ、それ…」

ポツン、と歌音が呟く。

「いい機会だから、小賢しい事をしている人達に、師匠さんの力を見せてやるのよ」

「だから、なんの理由があって…」

「力を見せつける事で、フェイヨン国内では師匠さん達にちょっかいを出させないようにする事。それは抵抗感を無くすぐらい、圧倒的に力を見せる事が条件になるわ」

「ちと、強引過ぎなぃかね」

「既に拉致なんかやらかしている人達に遠慮する事は無いわ。私の大切な仲間に先に手を出したのはあちらよ。それに、また同じ事をされても困るしね。ただ今回狙うのは、なるべく犯人達だけよ。関係無い人は巻込まないようにね」

「…分かった」

「王城に入るのは、誰かな」

「セルーの交渉には、誰が当たっているのかしら?」

「俺だね」

ピョコッとイツパが手を上げる。

「それじゃ、私とイツパさんで入りましょう。あとの皆は索敵と情報収集をして。今回、戦闘行動については師匠さんが行うから、自衛の戦闘以外はやらない事」

≪続く≫

kuramponkurampon 2008/03/15 22:39 風雲急を告げますな

HayleHayle 2011/11/23 03:31 Yo, that's what's up trtuhfluly.

vdxjpqaroezvdxjpqaroez 2011/11/24 18:14 ziHvul <a href="http://emedaqoakthq.com/">emedaqoakthq</a>

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