twonaの日記

2007-07-23むなむなダーと熊・15

(わかったわ)

了解の思念が反って来た事に頷き。

「行くむな!」

と、距離を詰めようと駆け出す。

「?」

が、駆け出したところで、ヨーンが大きく飛びすさる。

これまでの好戦的な行動に比べるとやけに消極的だ。

(トゥーナ。かすかな電波を確認したわ。内容は不明、波長の基本パターンヨーンの出現時のそれと酷似)

「それからわかる関連性は、なんだむな?」

(さあ…解析は終わってないからね)

解析より優先すべき戦闘があったから仕方ない。

「了解むな」

と、ヨーン武器腕をこちらに向けているのが目に入る。

(銃弾はともかく、ブラスターは再チャージできていないはず!)詠香の言葉が脳裏に響くと同時にヨーン武器腕の左右に斜めに付いている五つの箱のうち、三つの蓋(にあたる部分)が吹き飛び、そこから銀色の細長い矢のようなモノが飛び出して来た。

総数は10発。

それらは、矢尻の部分から盛大に煙を吹き出し、様々な方向に飛ぶと思われたが、くるりと向きを変え、ムナムナダーに殺到する。

ミサイル!?)

詠香の息を飲む気配。

(誘導能力があると思うから避けて!)

「わかったむな!」

回避行動をするムナムナダー。

ほぼ同時に3発のミサイルが来るのを身を屈めて避ける。

行き過ぎたミサイルはムナムナダーの背後10メートル付近で爆発する。

その爆風に押され、前につんのめったところに頭上から2発、角度を変えて落ちて来る。

(上!)

「わかったむな!」

爆風で生じた爆圧に自分の回避運動を乗せる。

視覚に投影されるレーダー画面を参照し、正面ではなく、強引に進路を歪め、左斜め前に飛び出す。

グイッと内臓に押しつけられるような圧力がかかり、風切り音が耳の側を抜け、背後で爆発が起きる。

(まだ来るわよ!)

今度は3発まとめて同じ軌跡で来る。

それを易々とかわすが、死角から接近した2発が忍び寄る。

ファランクス…ああ、銃器は無かったんだ…!)

詠香のしまった、と言う口調を聞いたムナムナダーは、胸甲の内側に一体化しているブラストクリップマグナムブレイクの発動を指示する。

「ムナダーどかぁん!」

ムナムナダーを中心に大爆発が起きる。

変身前に比べて、その威力は比べ物にならない。

「ッ!」

爆風でミサイルの進路が逸れる、が十分近付いたと判断したミサイルが、直撃を待たずに破裂し、高速の破片をバラ撒く。

(近接信管!?)

詠香からのミサイルと言う兵器の機能についての説明が視覚に反映されているが、理解するまで神経速度に余裕が無い。

「いてぇむな!」

かなりの威力を持った破片が降り注ぎ、装甲の各所から火花が散る。

ヨーン急速接近!)

追い討ちをかけようと言うのか、ヨーンの巨体が迫って来る。

「ムナムナソードいけるか?」

(十秒、ヨーンの動きを止めるか、攻撃を回避して!)

「了解むな」

間合いに入る前にハイパーキリエを展開する。

展開直後にヨーンの左腕の斬撃が来る。

それを回避した後に武器腕の銃口が向けられ、弾丸が吐き出される。

「い!?」

連射の中にブラスターの熱線が混じっているのを慌てて避ける。

「やるむな!」

既に6秒が過ぎている、自分の手のひらにムナックへの熱いパトスが集まっているのを実感する。

いけるか?と思った瞬間、武器腕のコンテナの最後の一つ(残り一つは銃弾の弾倉と思われる)の蓋が弾け飛び、ミサイルが3発、垂直に発射される。

「チイッ!」

づき、ムナムナソードの準備を停止する。

目標…)

詠香が、ミサイル目標を読み上げる。


その瞬間、ムナムナダーの感知能力が急激に拡大する。

(なっ、何これ!?)

詠香が戸惑うのも無理は無い。

今までの感知能力では捉えて居た世界とは全く違う世界が、トゥーナと詠香に見えている。

ミサイルの攻撃予測予測者名がマナだって!?」

取りあえず疑問は棚に上げて、優先して迎撃すべきミサイルに注意を向けると、その予測軌跡が脳に直接表示される。

二つはムナムナダー、そしてもう一つはマナ達を狙っている。

「だぁっ!」

接近するミサイルを無視してマナ達の方向へと駆け出す。

(間に合わせるわ!)

詠香の指示に応え、ムナムナダーの筋力強化機能が更に作用し、速度が増加する。

だが、代償として全体の防御力が低下する。

シュゥンッ!と一発目のミサイルが狙いを外して地面で破裂する。

「うおらーむな!」


もう一発のミサイルの軌跡を見ると、回避行動をとる場合、マナ達へ向かったミサイルの迎撃に間に合わない事が警告が表示される。

「無視して行くむな!」

狙われ易い直線移動に切り替えた瞬間、速度を増して近付いたミサイルの近接信管が破裂する。

「ぐっ!」

(足回りがやられたわ。速力30%ダウン!間に合わない!)

悲鳴のような、いや、詠香の悲鳴が脳裏に響く。

「まだまだぁ!」

特殊ソードメイスを逆手に持ち替え、投躑の体勢を取る。

マナ達にミサイルがその悪意に満ちた尖端を向け、最後の突進をする。

もうだめか、と思った時、予想していない事が起きた。

「あったれえええ!」

ラムポが沢から顔を出し、ピンをひねってアシッドボトルを投げ付けたのだ。

(無理よ!あんなのじゃ迎撃出来ない!)

詠香の言葉どおり、投げ付けられたボトルをかわす軌跡を描くミサイル

だが、遠目のムナムナダーからもラムポが一瞬ニヤリ、と笑ったのが見えた。

コルン!」

ラムポがコルンを呼ぶ、それに応えてコルンが草むらから飛び上がる。

幅広く引き伸ばされた形状からして、体のバネを最大限に使ったジャンプだろう。

そして、そのままミサイルに避けられつつある空中のアシッドボトルスマッシュする。

高速で空中を走るそれの先には、ミサイルがあった。


ブレイク!」

チン、とラムポが指を鳴らすとアシッドボトルが破裂し、アルケミスト特別配合の酸がぶちまけられる。

そして爆発。

一瞬、姿が見えなくなったがラムポはマナをかばったようだ。

程なく、二人が顔を出したのを見てムナムナダーと詠香は安堵の息をつく。

「さてと」

特殊ソードメイスを握り直し、ヨーンへと向い直す。

先程までとは違い、ムナムナダーの心は灼熱の嵐と化している。

「おイタが過ぎたむな。ぶっ倒してやるから覚悟むな!」

ヨーンへと宣言する。

「…むな?」

当のヨーンは、惚けたように仁王立ちをしている。

(トゥーナ!)

「なんだむな?」

ミサイルの管制はヨーンじゃ無い!他に誰かいるの。姫様の感応能力を使って探索中)

どうやら、ムナムナダーが迎撃で大変だった時に、ある程度状況は理解したようだ。

「まぁ、詳しい事は後にするとして…むな」忘我状態から復帰しつつあるヨーンが、また殺気をまとい初めている。

ヨーン武器の状態、身体状況等の精細な情報思考に流れ込んでいる。

その情報を見つつ、ムナムナダーはこの事件の黒幕が誰かを悟った。

そして、この幕引に何をしなくてはいけないのかも。

そのためには

「奴をどうにかしてからむな」

その言葉が終わると同時に、ムナムナダーは地を蹴った。