twonaの日記

2007-05-10むなむなダーと熊・6

―フェイヨン西方街道森林地帯―


ケルンと別れた三人は、そのまま旅を続け、草原を抜け鬱蒼と茂る森の中を進んでいた。

「しかし、ラミ渓谷には、本当に強い敵がいるらしいね」

周囲を警戒しつつ進んでいるコルンの動き(傍目には型取りゼリーがぷるぷるしながら飛び跳ねているように見える)を見ながら昨晩の情報を反芻しているラムポ。

「そうだな」

コルンとは別な方向に感覚を研ぎ澄まして周囲を警戒しているトゥーナ。それに加えて、マナが危うい動きをしていないかも見ている。

「なにか、対策とか無いのかい?詠香ちゃんはなんて言ってる?」

ラムポも、トゥーナとマナの状況を知っている一人だ。

ムナック帽子にマナメイドの一人であった詠香の意識が宿っている事を知っている、その上での問い掛けをしている。

生物機械を埋め込んで、様々な実験をしていたって話は、私達の時代でもあったわ。これは、ニナイル卿の知識だけれどね)

詠香の言葉をそのまま伝えるトゥーナ。

事情を知る者達との詠香を交えての会話は、始終こんな感じだ。

「そうなると、師匠達の敵さんが噛んでいるって見た方がいいね」

「そうだな」

(問題は、どんな意図があってそんな事をしているか?よ)

「ラミ渓谷は、国家戦略的には全く意味が無い場所だね。辺境とは言わないけど、あそこを押さえたとしても、アルケミストが困るくらいだし」

自分もアルケミストラムポが言う。

「他国の領内に、自分達の勢力を浸透させられるって言う示威行為の可能性はどうだ?」

「こんなに目立つやり方ではメッセージが強過ぎない?国際問題で、下手すると戦争になりかねないよ」

トゥーナの意見に異を唱えるラムポ。

「むう…」

確かに現在の国際状況は各国が友好ムードであるため、戦争直結しやすい行動を起こす事は考えにくい。

だが、野心は無くなったわけでは無いだろう、各国の野心家達は今でもその牙に磨きをかけているはずだ。

「確かにね」

そう指摘を受けてラムポは頷く。

「多分、私達が知らない所で各国の闇に属する組織が戦っているんだろうね」

トゥーナは、王都プロンテラに咲く陰謀花の事を知っている。だが、この件に関しては冒険者仲間の誰にも伝えては居ない。

あまりに危険過ぎ巨大な陰謀だからである、たまに打ち明けたい衝動に駆られるが、踏みとどまっている。

「でも、師匠の敵さんは、そんなのも関係無いって感じもあるしね。¨いくら無茶をやっても帳消しにできる¨なんて思っていたら、なんでもしそうだし」

「む…そうだな」

一瞬、ラムポが事情を知っているのかと言葉を詰まらすが、その可能性が皆無である事に気が付き、相槌を打つ。

(なかなか、鋭いわね)

揶揄する詠香にうるさい、と言う意図の思念を飛ばす。

(なによ、自分の修行不足じゃない)

ぷいっとソッポを向く雰囲気。

「そんな打算を立てているなら、なおさら今の事件を解決しないとな。奴等の悪巧みを潰せば最後には核心に辿り着くだろう」

戦略的と言うより、自棄に近いわね、と詠香に前に言われたのを思い出す。

「そうだね、まずは今の障害をどうにかしよう。なに、皆助けてくれるよ。マナちゃんと師匠をね」

そう言って、にかっと笑うラムポ。

「…そうだな」

自分だけ戦っているわけでは無い。

ならば、友人達を巻き込まず戦い抜いてやろうと、蒼穹を見上げてトゥーナは誓ったのだった。



二日目の夜営ポイントに予定していた安らぎ小屋に近付いた時に三人は異臭を嗅ぎ取った。

「!」

師匠、これは」

その大元へ一目散に向かおうとしたコルンに戻れの命令を出しながらラムポは顔をしかめる。

「血の臭い、それに死臭だ。詠香!急速サーチ!距離300!」

距離を指定すると、それだけサーチの精度が上昇する。

臭いからその対象が近いだろうと言う、長年の勘から来る判断だった。

(了解。対象確認、個体数8、うち生命反応6、死者2。負傷率全ての個体で20~70%)

「大被害だな…」

ラムポがカートを探る、ポーションを取り出しているのだろう。

(生命反応がある個体と死者に一人づつ、メモリ内部情報と一致)

要するに、トゥーナがムナック帽子を被った状態で会った事のある誰かが居る、と言う事である。

「!!!」

トゥーナの顔色がさっと変わる。

(死者はフェイヨン大聖堂所属司祭のケンジ、負傷20%を受けているのが、アコライトのエイナよ)

その言葉を聞き終える前にトゥーナ達は足を早めてその集団に近付いていた。

「おい!どうした!」安らぎ小屋の前には、散々な状態のパーティーが集まっていた。

騎士クルセイダーを擁するバランスの良い構成だが、その全てが傷つき、倒れている者も居る。

幾人か、名前は覚えていないが酒場やカプラサービスで見かける冒険者の顔がちらほらと見える。

「あ、トゥーナ先輩…」

比較的、怪我の程度が軽そうなアコライトのエイナがトゥーナの姿を認めて声をかけてくる。

地面に寝かされている四人のうち、二人は事切れているようだ。

ただ、その損傷はひどい、司祭の格好をした死体は体の中央から千切れている。もう一人、ウィザードの格好をした方はそれでもないようだ。

その一人には見覚えがある。

詠香の報告通り、同じ聖堂に所属しているケンジが横たわっていた、真面目な性格でトゥーナとは別な意味で後輩に慕われている。

後の者達は、動ける者は警戒体勢を取っているが、正直戦闘に耐えられるか不安な状態だ。

「ううう…先輩…」

安堵したのか、思わず涙ぐむエイナの髪を撫でて落ち着けにかかる。

「どうした?何があった?」

「私達、ラミ渓谷にハーブを採りに行ったんです。そうしたら、凄い強い熊に出会って…皆は戦ったんだけど、敵わなくて…ケンジ先輩が私をかばって亡くなっちゃて、総崩れになったんです。その後、ラッケンの村からフェイヨンへ救援を求めに移動していたらソヒーの群に襲われて…。どうにか撃退しましたけど…私のヒールでは手当てが追いつきませんでした」

ぐすぐすとすすり上げながらエイナは説明を終える。

「大体、状況はわかった。ソヒーはこちらの状態を知って攻撃してくるからなぁ…。頑張ったなエイナ」

ぽん、と頭に手を置いて、聖職者制服の胸元と腕を見る。

ささやかな膨らみを見たわけでもなく、また白い腕を見たかったわけでも無い、その理由は別にある。

限界を超えたヒールをしなかったようだな。辛かったろうが偉いぞ」

駆け出しのアコライトありがちな事だが、人を助けようとするあまりに、限界を超えてヒールをする事がある、往々にしてそれは術者の体を蝕み、重い後遺症を残す場合もある。

無理をした場合、そのフィードバックは喀血、末端の血管の破裂として現われる。

その為、トゥーナはエイナの胸元と腕を確認したわけである。

自分の力量を知り、人を助ける…主だった聖職者は、直接敵と戦う事は少ないが常に別な戦いをしている。

「よく頑張ったな、後はワシに任せろ」

さらに先輩の司祭が死に、パーティーの回復役として過剰な重圧がかかっていた事は想像に難くない。

エイナは良く耐えたのだろう。

「はい、先輩、お願いします」

一礼すると、ペタンと座り込んでしまう、相当な消耗だっただろう。

ラムポさん、エイナに青ポーションを三本処方よろしく」

「ん、わかった」

カートから青ポーションを取り出すラムポ。

「おい、司祭様。俺達はいいから。死んだ奴を先に起こしてくれ」リーダーらしい騎士が声をかけてくる。

腹に包帯を巻き、その顔色は青白い。

「いや、生きている人を優先する」

「何故だ?」

「この様子だと、リザをしたにしても復活後の手当てで時間食うはずだ、その間に死者が増えないとは限らん。あんただって、腹を貫通した何かが内臓を傷付けているんだろ?相当きついはずだぜ。死者より生者を助けるのをワシは優先する、今死んでる人の恨み言はワシが聞くよ」

一部、詠香のサーチの結果と織り交ぜて診断をし、回復のプランを宣言する。

「ああ、きついのは確かだが…いいのか?」

どうやら、責任感のある騎士のようだ、だからこそパーティーのリーダーに選ばれたのだろう。

「なに、治癒の聖域を展開する。そうしたら、すぐにケンジ達を復活させるよ」

そう言いながらザックからブルージェムストーンを三つ取り出す。

「?」

興味津津覗き込むマナに微笑みかけて説明する。

「回復の聖域さ、見ていな」

そう言って、ジェムストーンに魔力を注ぎ込む、一瞬、ブルッと震えた後に乾いた破裂音を立てて大小の破片になる。

それを、パーティーを囲むように周囲に撒く。

「全てを照らす賢しき者よ、汝の知るこの勇敢なる者達へ治癒の慈悲を与えたまえ」

両手を天に向けた姿勢で聖句を唱え、必要な力を魔力を媒介にして呼び出す。

ほどなく、不可視の重みが両手にかかる。

「疾く!開きたまえ聖域の門!!」

それを発動の聖句と同時に、ブルージェムストーンの破片に触れさせる。

瞬間、破片を撒いた地面が黄金色燃え上がる。

「…っつ!」

騎士が一瞬、苦痛に顔をしかめるがその表情が劇的に安らかなものへと変わって行く。

それは、他の者も一緒だ、傷が癒え、苦痛を訴える声が消えて行く。

ヒールとは違い、展開した範囲内の存在を分け隔て無く治癒する聖域と言うスキルにはトゥーナは特に長けている。

多くの司祭とは違い、肉弾戦闘をするためにヒールの威力が低い、そのため集団の回復力に優れる聖域の習得を深めているわけだ。

それを見ながら、今度は二つのブルージェムストーンをザックから取り出す。

一つずつ死者の胸の前に置き、聖句を唱える。

「疾く、全ての生命を抱きとめる慈悲深き者よ。ひと時はそなたが抱きとめた者をこの大地へと返したまえ」

腕の前で手を祈りの形へと変える。

周囲から細かい光の粒子が集まり、それがブルージェムストーンへと集まって行く。

「死せる者は、未だ宿命を果たせておらず!リザレクション!!!」

聖句の完成と共に、ブルージェムストーンは崩壊し、集まった光が死者の中に注ぎ込まれる。

「うっ…いってて」

ケンジが目を醒まして痛みを訴える。

トゥーナのリザレクションの威力は低い、腕利きのリザレクションの使い手ならば全ての生命力を全快にすることが出来るが、トゥーナの場合”どうにか生き返りました”ぐらいの程度しか回復していない。

だが、その苦痛の呻きも聖域の範囲内であるため、すぐに消えていく。

「よう、ケンジ司祭

「…んー。ああ、トゥーナ司祭か…」

覗き込んだトゥーナの顔を見てその名前を呼ぶ。

「俺は…やられちまったみたいだな」

腹の辺りに大穴が開いているセイントローブを見て一人ごちる。

「!エイナは!?」

「ああ、大丈夫さ。お前さんがやられたあと、パーティーを支えていたってさ」

「ケンジ先輩ー大丈夫ですかー」

ポーションを飲み干したエイナがケンジのそばにやってくる。

「あー…やっぱ死ぬもんじゃないな…気分わりぃ…が、体は動くし大丈夫だよ。エイナには心配かけちゃったな」

「そんなぁ、私もとっても自分の修行不足を感じました。ホント、どうしようか頭が真っ白でした」

「それにしても、なんでトゥーナ司祭がここにいるんだ?」

苦痛に顔をしかめながらトゥーナに聞く。

「ケンジ、とりあえず回復させてからだ。その後でその強い熊の話を聞かせてくれ」

真面目な性格ゆえ、復活してからすぐに状況を把握しようとするケンジを押しとどめる。

ケンジも聖域の作用範囲内に居たが、それでは回復が追いつかなかった。

聖域の効果時間の関係もあるが、それだけ傷が重かったと言う事だろう、その場合は個別にヒールをかける必要がある。

「わかった」

苦痛から来る深いため息をつき、ヒールが効き易いように全身の力を抜くケンジ。

「慈悲深き者よ、この者を癒したまえ」

ヒールを展開し、ケンジを癒し始める。

かなり傷が深いため、トゥーナの最大威力のヒールが何回か必要だろう。

もっとも、回復スキルに長けた司祭であれば一瞬で治せるだろうが。

それが、多少コンプレックスを感じる瞬間でもある。

「ふう…おかげで落ち着いたよ。サンキュ」

むくっとケンジが起き上がる、そのまま四肢を動かして体機能を確認している。

「問題無いか?」

「ああ、バッチリだ」

親指を上げて、問題無しのサインをする。

「あとは手分けして回復をしよう」

「了解」

パーティーの回復役である司祭の回復が終了すれば、立て直しは早い。

エイナには、現在の状況からの立て直しをどうするか等を教えながら、程なく全員の回復が終了する。


・・・


「ふー終わったぁ」

汗を手で拭いながら安らぎ小屋に寄り掛かるトゥーナ。

その前に手ぬぐい差し出される。

「はい、お疲れ様」

マナがニコニコしながら手ぬぐい差し出していた。

「お、ありがとうマナ

受け取って汗を拭く、空を見上げると安らぎ小屋に近付いていた時に傾いていた太陽は、西の山嶺にひとかけらを残して没している。

今日マナもご飯作るよ」

ぐっと頑張るポーズをしているマナ

(ああ…姫様…下品な仕事をして…)

詠香のいつも通りの嘆きを聞き流して、驚きの表情をマナに向ける。

「お!マナのご飯かぁ。楽しみだなぁ。だが、疲れてないか?」

「うん、でもトゥーナも疲れているでしょ?私が代わりにやるわ。エイナちゃんも手伝ってくれるし。それに、お話あるんでしょ?」

そう言ったマナの背後から、ケンジとパーティーのリーダーである騎士がやって来るのを見つける。

「じゃあ、お言葉に甘えるかな。頼んだよ」

マナの銀髪をクシャクシャと撫でてから立ち上がる。

「うん!じゃあやってくるね」

二人と入れ違いに小屋に向うマナを見送りながらケンジ達に向き直る。

「お邪魔だったかな?」

「いや、大丈夫さ」

「まず、あんたの支援感謝する。俺は吉光、見ての通り騎士で冒険者をしている。このパーティーではリーダーをやっている」

ぺこり、と頭を下げる。

「あとのメンバーの名前だが、アルケミストのザイ、クルセイダーミスラ、アサシンのコウリュウ、ハンター古賀ウィザードミミル、以下省略だ」

それ以外のメンバーに関しては既に紹介済みと言う事だ。

「詳しい話を聞かせてもらえるかな?」

「ああ、俺達はラミ渓谷にハーブを採りに行ったんだ。最初は順調だったんだけどな、突然現われた強い熊に襲われてこの様さ」

と、吉光は肩をすくめる。

「ふむふむ」

「その戦闘でケンジとミミルがやられて、ラッケンの村に撤退したんだが、生憎とリザを使える人が居るパーティーが居なくてな。徒歩で移動していたわけだ」

様子から察するに、聖堂へ救援を求めに移動していた、と言う所だろうか。

「その熊って言うのについて、詳しく教えてくれないか?様子とか、攻撃方法とか…なんでもいい」

「いいけど…まさか、あんたもラミ渓谷に行くのか!?」

目を見開いて驚きの表情で聞いてくる。

「まあな、依頼でね」

大体、依頼だからと言えば冒険者はそれ以上は追求して来ない。

「無謀だぜそれは、アルケミストと駆け出しのノービスとあんただけで行くのは死にに行くようなもんだぜ」

と、追求まで行かないが吉光は渋い顔をして忠告してくる。

それだけ、危険であると言う事だろう。

「まぁ、出会わなければいいし…偵察だけにしておけば、大丈夫さ!多分」

ハッキリと嘘をつく。

「さすが、相変わらず変な希望的観測で動こうとするなぁ…」

ケンジがボヤく。

「まあ、そう言わないでくれ。で、敵はどんなだったんだ?」

「ああ、まずベースは熊系のモンスターだ。体毛から………の可能性があるが、断定はできないな」

「ふむ」

「だが、特筆すべきは機械の左腕を持っていた事だよ。硬く、強力な銃器を内蔵していた。これまでに戦った熊でそんなのは居なかったぜ」

「その銃器だが、どんな種類の弾丸か、わかるか?」

そう聞いたのは、弾丸によって対処方法が違うからである。

「通常弾に近いはずだが、一つ気になった事がある」

「なんだ?」

「熱線砲とでも言うのかな、凄まじい熱を打ち出す変な兵器があったよ」

「それは…穏やかじゃないな…」

「通常弾の威力は、俺の腹を簡単に吹き飛ばした事からわかるように相当なもんだったよ」

ケンジが死んだ時のギリギリの記憶を思い出して答える、もちろん多くの人にとって、それは不快なモノであるが、生き返らせてもらったと言う恩があったからだろう、淡々と説明をする。

「その時の装備とスキルの状況は?」

「マスターランクキリエの展開と、聖堂推奨の7段階強化版のセイントローブさ」

そう言って肩をすくめる。

「凄いなそれは…」

セイントローブは布を主体にした装備とは言え、ケンジの装備していたそれは、何も処理を施していないクルセイダーのフルプレート並の装甲となる特殊な改造を施したものだ。

そのケンジのセイントローブを軽々と吹き飛ばした威力に戦慄する。

「また、斬撃も相当なものだった。防いだクレイモアが一本オシャカになったよ。それに防御力も相当高い…バッシュをあんなに綺麗に弾かれたのは、剣士ギルドでの先生に弾かれたぶりだった」

「うーむ、聞けば聞く程大変そうだなぁ。あ、他の部位はどうだった?」

「んー。腕以外は比較的弱いんじゃないかな。とは言え、奴の懐に入り込むのも大変だが。ミミルソウルストライクは全体に効果あったみたいだ」

「なるほどな…」

「だが、交戦してからすぐに撤退したからなぁ…あまり分らないのが事実さ」

「ああ、厄介な奴だってわかったし、助かったよ。もし出会ったらさっさと逃げるさ。二人ともありがとう

「いやいや。こっちの方が助かったぜ」

「そう言えばトゥーナ」

それまで黙っていたケンジが話し掛けて来る。

「フェイヨンまでのポータルを開けるか?俺のは死んだ時に忘れちまったらしい」

これも、軽度であるが死の副産物である。

「ああ、早めに帰った方がいいな。ワシなら問題無い…。で、ラッケンの村までのポータルが残っているか?」

「ああ、そっちは残ってたんだ」

「それは丁度良かった。ワシ達をラッケンの村まで飛ばしてくれないか?」

「それはお安い御用だ、任せてくれ」

軽く請け合うケンジ。

「それじゃ、情報ありがとうな。出発は明日の朝でいいか?」

「そうだな、この時間では聖堂も閉まりそうだし…ここで休憩してからの方がいいだろう」

そう言った時、ラムポが安らぎ小屋から顔を出して、夕食が出来た事を伝えたのだった。