twonaの日記

2008-03-14むなむなダーと王子様・15

うどん屋さんにて

「師匠さん、大丈夫!?」

フィリオリ達が慌だしく未識の店に駆け込む。

「ぉう、来たね」

イツパが未識の店の大黒柱に縛り付けられ、悄然と怒りがない混ざった雰囲気のトゥーナの前で手招きをしている。

「…何、師匠さんが縛り付けられているのよ」

「いや、何回か飛び出そうとしていてね。仕方ないから縛り付けたのさ」

肩をすくめてラムポが言う。

「さて、師匠。もう一度詳しく事情を話してくれ。私達が手伝うからさ」

と、ロープを解く。

「…分かった」

ゆらりとだが、立ち上がるトゥーナ。そして事情を話し始める。

その話が終わった時、集った仲間達で驚きと困惑を見せていない者は居なかった。

「改めて聞くとビックリするよね、まさか詠香ちゃんを出し抜くとはね。今の技術でそれが可能なんかな」

ラムポが顎に手をあてて聞く。

「少なくとも、今までにそう言う事は無かったさ」

「と、言う事は…古代遺物を所持している可能性の高い奴等の仕業だろうね。大聖堂の奴等か?」

「いや、奴等の動きは無いはずだよ。カプラサービスでは、不審な空間移動を使った人は居ないらしい」

「でも、陸路から入った可能性はあるじゃないか?俺達だけでフェイヨンの入国を把握出来るとは限らないしな」

と、しろかぜ。

「そうだね。プロンテラから直接陸路から来なくてもアルベルタからの陸路ルートもあるね」

かの街にもカプラサービスがあり、空間移動を使える。

「うーん…」

色々な可能性を思い付いて、その多さに考え込む一同。

「ちょっと待って」

フィリオリが口をはさむ。

「もし、大聖堂の人達だったとして。マナちゃんは何処にいるのかしら?たとえ、ここへの侵入が容易だとしても、人を一人捕らえたまま運び出すのは至難の技よ?」

「行きは良い良い、帰りは怖い。の法則だね」

「そう、それに今は日が高いわ。塀を越えるのも簡単には行かないでしょうね。人目もあるし」

「だが、抜け道なら俺らでも知っているぜ?そこから出る可能性は?」

「そう言った所は、警備兵士もまわっているでしょ?昼間だと、見回りも異常を発見しやすいしね。そこからの脱出には相当リスクが高いわよ」

「ふむ、と言う事は。まだマナちゃんはフェイヨンに居るって事か?」

「可能性はあるわね、師匠?」

「…なんだ?」

「詠香ちゃんが、その索敵機能が及ばない相手の情報が無いかの確認はとれる?」

ややあってトゥーナが答える。

「あまり分らないそうだ。かなり高度な電子戦…いわゆる古代遺物の索敵能力同士の殴り合いをするのに長けた古代遺物はあるが、詠香の能力を超えるものはそれほど数はなかったらしい」

「と、言う事からすると。貴重な古代遺物を持っているとすれば…」

「だから、大聖堂の仕業じゃないかと言っているんだ!」ダンッと机に拳を振り下ろしてトゥーナが叫ぶ。

「声が大きいわよ。でもさ、そう言った技術なら大聖堂だけじゃ無く、規模のある組織なら多かれ少なかれ持っているんじゃないかしらね」

「…その可能性はある。だが俺は一度も見た事は無いぞ」と、一夜。

ギルドに顔が効くしろかぜとシニャも頷いている。

「最秘奥か、それとも持っていないかって事ね…だとすると。相当の規模がある組織しか持ってなさそうね」

「…そこはどこだ?」

「まずは国よ、その国家中枢あとは古くからのギルド。私は師匠さんの力は見て居ないけど、その力や技術を欲しがる国や組織はたくさんありそうね…。特に国家って言うのは、力を独占しないと気がすまない病気にかかる事があるし。そして…ここフェイヨンでもそれは変わらないはずだわ」

「王家が絡んでいるわけかよ…」

「…少し、厄介…ね」

「飽くまでも可能性だけどね」

「国とやり合うのは得策では無いんじゃないかね」

「確かにね。でも、ただ殴り合うわけじゃ無いわよ。戦略的に行きましょう」

「例えばどんな?」

「各ギルドを動かすのよ。今回の件が国がやっているなら、多分マナちゃんを誘拐したのはイヅチ王子の近辺の可能性が高いわ。彼は武断派で、強行派には人気があるけど、それはフェイヨンでは少数派よ、権力があるのはひとえに第一王子という地位があるからね。それに対して第二王子のナリスナ王子は内政への評価は高く、支持者は多いわ」

「ただ、それだけでイズチ王子と断定は出来ないだろう?」

「彼を疑う根拠としては、彼の支持は高くないと言う事が上げられるわね、その状況を変えるために古代遺物の力を得る事で、フェイヨンのそれを他国から優位にさせる必要がある状況になりつつが考えられる事と、武断派である彼が、無邪気に力を求めている可能性がある事かな」

「そんな可能性があるのか?」

「一番可能性が高いのは前者ね、私達が知らない戦いでフェイヨン王家がそれに対して焦りを覚えている可能性…そしてそれに勝つためのなんらかの意図があってマナちゃんを誘拐したって言う事…その原因に古代遺物関係の事があるんじゃないかしら?」

「確かに、マナちゃんを誘拐するにしても、他の要因は無いしな。あの子は普通にしていれば、ただの可憐な女の子だろうし」

イズチが、色を好むと言う事を除けばだが。

「全て状況証拠だけど、どうかしら?」

「大聖堂の奴等の可能性は、そう考えると低いわけか…」

少し冷静になったトゥーナが呟く。

「大聖堂が来るにはリスクが高いわね。機械人形だっけ?が相手だと私達だとやれる事は少ないわ、私達だけでやっと一体倒せるのが精一杯。でも…」

「ちょっと待て。あいつらと戦ったのか!?」

フィリオリの言葉を遮ってトゥーナが焦った様子で口をはさむ。

「うん、昨日ね。封鎖区域でサルベージ中に一つのパーティが全滅、こちらも私が重傷かな」

心持ち、昨日負った傷のあたりを押さえながらフィリオリが言う。

「だから、私は考えたの」

「何をだ?」

「機械人形は、大枠のところでは人に従っているように見える。だから、直接機械人形と事を構えないでも、その上を抑える事で動きを止める。これは、他の古代遺物についても適用出来るんじゃないかしら?」

フィリオリのこの案に、イツパ達が沈黙する、その案の突飛さと斬新さがその理由だ。

「だから、少なくともフェイヨンにおいては、中枢が何を考え、動いているかを把握する必要がある」

沈黙したままのラムポ達に話を続けるフィリオリ。

「…多分、それが有効かも知れないね」

沈思していたラムポが答える。

「で、彼を頼るのか?」

ノデンが話の発端へと言葉を戻す。

つまりは、ナリスナを味方とみなすと言う方向についてだ。

「確かめて、敵じゃ無かったらね」

「ラムポさん」

「なに?」

フェイヨン商店街の案件で、ナリスナ王子との繋ぎをとれるものがある?」

「うーん…。セルーの新規輸入ルートの件が大詰めだね。あとは価格で最終調整かけるだけさ」

「その話があるって事で、城内に入れる?それも急に」

「今すぐかい?」

「ううん、でも三時間以内に…」

「あぁ、簡単に言ってくれるね」

ぺちっと額を叩いて、イツパが天をあおぐ。

「入れたとして、どうするんだぃ?」

「交渉のテーブルで、彼の人柄を確認する。信用できそうだったら。協力をしてもらうわ」

「おい、それじゃ遅くないか?マナを取り戻すには時間が足りない」

苛立ちを言葉に乗せて、トゥーナが言う。

「その話はちょっと待って」そう、トゥーナを制してから言葉を続ける。

「ナリスナ王子を窓口に、フェイヨン王家との共闘体制をとれるようにする。これは長期にわたる布石ね。そして…師匠さんには…」

言いかけて、トゥーナを見上げる。

「今回は、マナちゃんを誘拐したのが王家だった場合。暴れてもらうわ」

「はぁ!?」

あまりにも唐突な提案に、一堂は驚愕の声を上げる。

「…なに…よ、それ…」

ポツン、と歌音が呟く。

「いい機会だから、小賢しい事をしている人達に、師匠さんの力を見せてやるのよ」

「だから、なんの理由があって…」

「力を見せつける事で、フェイヨン国内では師匠さん達にちょっかいを出させないようにする事。それは抵抗感を無くすぐらい、圧倒的に力を見せる事が条件になるわ」

「ちと、強引過ぎなぃかね」

「既に拉致なんかやらかしている人達に遠慮する事は無いわ。私の大切な仲間に先に手を出したのはあちらよ。それに、また同じ事をされても困るしね。ただ今回狙うのは、なるべく犯人達だけよ。関係無い人は巻込まないようにね」

「…分かった」

「王城に入るのは、誰かな」

「セルーの交渉には、誰が当たっているのかしら?」

「俺だね」

ピョコッとイツパが手を上げる。

「それじゃ、私とイツパさんで入りましょう。あとの皆は索敵と情報収集をして。今回、戦闘行動については師匠さんが行うから、自衛の戦闘以外はやらない事」

≪続く≫

kuramponkurampon2008/03/15 22:39風雲急を告げますな

HayleHayle2011/11/23 03:31Yo, that's what's up trtuhfluly.

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2008-02-14むなむなダーと王子様・14

アサシンギルド

(ん?)

仲間達と別れたロンはアサシンギルドである酒場の外に、様子を伺っている不審な人影に気がついた。

多分、フェイヨン忍軍の忍者だろうがあからさま過ぎる。

(つーか、経験不足過ぎる動きだな)胸中でため息をつく。

特に敵対はしていないが、警戒対象の組織の拠点を監視するには迂闊過ぎる動きだ。

(どーするっかな)

捕らえた所で益は無いだろう、面倒になるだけだ。

(ちょっと脅かしておくかね)

気配を消して背後に近付く、相手の男はギルドを監視するのでロンに気が付いていない。

脇を通り抜けるような動きで、その男をすり抜ける。

寸前、気配を開放し、ついでに地面に落ちて居た小を踏み抜く。

「!!」

ビクッと震え、ロンへと向き直る男、その左手が腰の辺りをさまよう。

だが、そこには何も無い。

(素人過ぎる。こちらに向き直った時の動きは忍軍仕込みだがな)

批評しながら、何事も無かったかのように脇をすり抜け、そのまま酒場へと入って行く。

「よう、ロン」

入口に一番近いテーブルについて居る老人が声をかけて来る。

「ヒザキのじーさん」

ヒザキと呼ばれた老人は、ありふれた黒く染めたアマツ風の着物を着た鋭い眼光をした老人で、アサシンギルドの前ギルドマスターだった。

現役を退いたとはいえ、現ギルドマスターから頼られており様々な助言を行っている。

「外の小カラスをいじめておったのかいな?」

「そんなんじゃ無いですよ。横を通り過ぎただけですよ?」

肩をすくめる。

「ふっ、それにしてはやけに慌てさせていたじゃないか。忍者軍も大変だな、ワシらの監視に割ける者がアレでは先が暗いぞ」

「そーですかね」ヒザキと同じ卓に座り、冷酒を頼む。

「じゃが、面白い話でな。あの小カラスが来たのは今朝あたりからなんじゃよ。その前は気配も絶つ熟練の忍だったはずじゃよ」

「…へえ」

「これから導き出される事はなんだと思う?」

ヒザキの問いに、冷酒を一口飲んでから時間をかけて答える。

「ここを見張る以上の重要事が起きたって言う事です?」

ご名答。とは言ってもワシの推論に近いだけだから、真実と言うわけでは無いがな。どうじゃ?何か臭うじゃろ?」

「そうですね」

確かにきな臭いものを感じる。

「うちでは、城内で何か起きているか掴んでいるんですか?」

「わからんなぁ。探りを入れようにも情報が少な過ぎるからなぁ」

「で、俺に行けと?」

探索はともかく、自分ならある程度の辺りまでは城内に入り込めるだろう。

「いや、ロンには市街での異変を探ってもらいたい。出来るか?」

「長のご命令なら」

と、言ったところに外から慌ただしい足音が聞こえて来る。

「…ユイ?」

聞き覚えのある足音に眉をひそめる。

「ロン居る!?」

酒場の扉が勢い良く開かれ、ハイプリーストのユイが酒場の中に入ってくる。

「あー居た居た!あ、ヒザキ様こんにちは」

「や、ユイ様はいきなりどうしたのかね?」

「うん、ちょっとね。ロンちょっと来て。急ぎでね」

ツカツカと歩み寄って腕を取る。

「なんだってんだ…」

「師匠さんが大変なのっ。フィリオリがそれで皆に召集をかけてるのよ」

声を潜めて言う。

「…」

変わった顔色を悟れないように冷酒をあおる。

「分かった、行こう。ヒザキじいさん、また出てくるけど、何かあります?」

「いや、お前さんの予定を優先していい。ただ、事後報告だけしてくれ」

「感謝です」

そう言ってからユイを促して外へと駆け出す。

「ふむ…」

その様子を見たヒザキが、給仕の女に目配せをする。

それからすぐに、酒場から三人のアサシンが出ていく。

「この国も、何かが動き出したようだな」

そう一人ごちて、ヒザキは思考に沈んだのだった。

MaherMaher2012/03/28 14:27Heck yeah this is exaltcy what I needed.

bqibvbymewbqibvbymew2012/03/28 21:07FSQpNL <a href="http://zmlxghaowzkt.com/">zmlxghaowzkt</a>

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2008-02-11ムナムナダーと王子様・13

フェイヨン大通り


「さあ、いらっしゃい。出来たてのノデン謹製の装備品だよー。安くないけど、性能は折り紙つきだよ~」

ノデンは大通りのいつもの場所の露店で売り声を上げていた。

「む?」

背後から歩み寄る足音と不穏な気配を捉えて、怪訝そうに後ろを向く。

「…おお師匠、どうした?」

異様な雰囲気を醸し出すトゥーナの様子に、一瞬絶句する。

かなり急いで来たのは、息を切らせているのを見て分かる。

だがそれだけでは無い、いつもの雰囲気とは全く違う〝怒り″を纏っている。

それも特大の。

「マナが、さらわれた…」

その口からぼそりと、しかし怒りに満ちた口調で衝撃的な言葉が漏れる。

「なんだって!?」

確かに、いつも一緒のマナがトゥーナのそばに居ない。

「…本当のようだな」

「ああ」

「いつ、どこでだ?」

「ついさっき、中央市場の異国商店のあたりだ。やられたよ、マナが居なくなった後に露店主が三人消えて居た。用意周到にしていたらしい」

「ふむ」

「すまんが、ワシだけではどうにもならん。力を貸してくれ」

「分かったよ。あと皆を呼んで探してもらおう」

「頼めるか?」

「ああ、マナちゃんを探すためならみんなは快諾してくれるだろうさ」

「すまん、それじゃワシは行く」

そのまま、マナを探しに走り出すトゥーナの服を掴んで引き止める。

「なんだ?ワシはマナを探しに行くんだが」

やり場の無い怒りの感情が向けられるが、それを溶接マスクで弾いてノデンはトゥーナに語りかける。

「メシ、まだなんだろ?食べてから探しに行くといいさ」「だが、ワシは急いでいるんだ!」

「落ち着け師匠。腹が空いたままだと、良い考えも浮かばよ。軽くでもいいから食べてから行くんだ。そうしないといざと言う時に何も出来ないさ」

と、向かい側の飯屋を指差す。

「私が皆に知らせてくるから、師匠は何かを食べておく事。分かったね?」

溶接マスクの奥からの鋭い眼光がトゥーナを射る。

「む…分かった…」

反論しようとするが、いつに無く真剣なノデンの視線にそれを飲み込む。

「それじゃ、行ってくる。速度くれ」

移動力を増加させるスキルをかけてもらい、ノデンはカートを引きながらトゥーナの前から去っていったのだった。

「イツパさん、あ、ラムポさんも居たっ!」

イツパがいつも遅くの昼食を摂る食堂へと文字通り飛び込むノデン。

「おぉ。良い飛び込みっぷりだね」

デザートのリンゴを食べて居たイツパが感心したように言う。

ちょうど食べ物を飲み込んでいたラムポは言葉を発せずに、うんうんと頷く。

「で、どうしたぃ?」

「マナちゃんがさらわれたらしい」

声を潜めて二人に事情を話すノデン、その内容を悟った二人の顔色がサッと変わる。

「それはヘビーだね。師匠はどうしてる?」

顔を青ざめさせたラムポが聞く。

「飛び出して行きそうだったから、未識(みしる)さんとこで飯を食べるように言っておいたよ。皆を呼んで来るって言っておいた」

「うん、上出来だね…。私達も行こうか」

ラムポが立ち上がる、そして会計をしに来た店員に料金を支払いながら奥へと声を張り上げる。

「マシラはいるかい!?」

「はいよ、ラムポの旦那。なんだい?」

俊敏そうな、この店の子供が近寄って来る。

「すまないが、お使いを頼めないか?大聖堂の大司祭様にこの手紙を、その後にフィリオリさん達を探して来てくれないかな?」

と、手紙と100ゼニー金貨を渡す。

金貨を渡された、マシラと呼ばれた少年が目を真ん丸にする。100ゼニー金貨は、子供にするとかなりの価値を持つ。

それは大人でも同様だが。

「それも凄く早くだ。出来るかい?」

真剣味を帯びた視線でラムポが注文をつける。

「分かったよ旦那。親父!ちょっと行ってくるぜ!」

厨房に向けて叫んだ後、応えを待たずに走り出す。

「親父さん、マシラの借り賃だょ」

イツパが20ゼニー銅貨をマシラの父親に渡して居るのを見て、ラムポは二人に話し掛ける。

「まず、師匠に事情を聞こう。全てはそれからだね」

「「応!!」」

そうして、三人はトゥーナの居る店に向かって走り出したのだった。


フェイヨンカプラサービス前



「意外に良い値がついたね」

商人ギルドから出て来たシニャがユイに言っている。

「うん、ケチると思ったけど。あのアルベルタの商人はやるじゃない?」

そう話している仲間達の弾んだ声を聞いていたフィリオリの耳に、誰かが駆け寄って来る。

「フィリオリ姉ちゃん!!」

見ると、ルサ食堂の子供であるマシラが素晴らしい速さでフィリオリの前に立つ。

急制動で、ぼふっと辺りに土煙が立ち込めるのに顔をしかめる一同。

「マシラ君じゃない、どうしたの?」

「えっと、ラムポの旦那が至急集まってくれって行ってたから探していたのさ」

「?それってどう言う事かしら?」

急なのは分かるが、話が読めない。

「オイラも分らないんだけど、大聖堂に手紙を届けるのを頼まれてからここに来たんだ」

息を整えてマシラが答える。「大聖堂にって…。相当急いでいるらしいわね」

ラムポが大聖堂に手紙を出す時は、大抵凄く良い事かロクな事では無い。

手紙の内容の予想はつかない、情報が足りなさすぎる。

「それで、どこに行けばいいの?」

「ノデンの旦那が未識さんとこで、暴走あんちゃんがご飯食べているらしいって言ってたよ」

「分かった。ありがとう」

頭を撫でてから、フィリオリは仲間達を振り返る。

「皆、何が起こったか分らないけど大変な事みたい。疲れているかも知れないけど、これから事に当たるわよ。いいかしら?」

「やれやれ、ゆっくりと寝られると思ったんだけどな」

しろかぜがボヤく。

「でも、師匠さんに何かあったらしいから助けてあげないと」

シニャがしろかぜをたしなめる。

「わーってるよ」

「いそ…ぐ…わ」

歌音がフィリオリを見上げる。

「ユイは、ロンを探して来て。エイナは大聖堂に戻って大司祭様に今回の冒険の報告をして、詳細は後から私から伝えるわ」

「はい、先輩」

そう言ってエイナは大聖堂の方向へと歩いて行く。

「それじゃ、みんな。もう一仕事いくわよ!」

そう、仲間達に言ってユイは速度増加スキルを展開してから走り出したのだった。

kuramponkurampon2008/02/12 22:49続き来ましたね。楽しみに読んでます。

twonatwona2008/02/12 23:53クラさんへ<
がんばります(`・ω・´) シャキーン

2007-12-06むなむなダーと王子様・7

フェイヨン南門


フィリオリ達のパーティは旅を終え、フェイヨン南門をくぐって居た。

封鎖区画からサルベージした荷物で、騎乗ペコペコが荷駄ペコペコのような様相になっている。

「いやー疲れたな」

しろかぜが伸びをして言う。

「まあな、予想外の事を除けばおおむね収益があって良かったがな」

ロンがそれに応える。

「さ、まずサルベージした品物を商人ギルドに届けて鑑定を頼みましょ」

封鎖区画からサルベージした荷物の多くは、アルベルタの商人ギルド本部が所有権を主張しているため、鑑定はアルベルタで行った方が効率はいい。

最終判断には、アルベルタからの商人(この場合は監察官の役割を行う)に委ねられるのだが、その手間は先方が負担するため、冒険者側としてはどこで鑑定したとしてもいいのだが、アルベルタで鑑定をすればそれだけ現金が早く入る。

そういった事情があり、たとえアルベルタから近いフェイヨンであっても鑑定を行う冒険者はそれほど多く無い。

だが、フィリオリはフェイヨンでの鑑定を選んだ。

その理由として明確なものは無いが、敢えて言えば〝勘″がフェイヨンに行けと命じたのだ、それを仲間達に話すと少し迷惑そうな表情をしたが賛同してくれた。

「俺はギルドに顔を出して来るよ。奴等の発見報告が無いか気になるからな、荷捌きは頼んでいいか?」

ロンが仲間達を振り返って言う。

「うん、わかったわ。何かあったら早めに知らせて」

「あいよ」

そう答えてひとごみの中に分け行って行くロン、程なく気配が消える。

「さてと、荷捌きしましょ」

そう言って、フィリオリ達ははフェイヨン大通りの商人ギルドへと向かったのだった。



トゥーナとマナは、フェイヨン東門から中央市場へと足を踏み入れていた。

既に、訓練結果は弓手ギルドへと連絡済みである。

二人は昼食をとるために市場の食堂へと向かって居た。

「マナ、何を食べたい?」

「うーん…。ザンダヌさんちの定食を食べたい」

行きつけの食堂の名前を言うマナ、デザートに美味しいリンゴの蜂蜜漬けが出るのを楽しみにしているのをトゥーナは知っている。

「じゃ、そうするか」

そう答えてそちらの方向へと足を向ける、自分達が居る区画は、国外の品物を取扱っているために店先には見慣れない品物が並び、顔を知らない異国人の商人がそれらを売っている。

その時だった、ぽん、と言う破裂音がした途端に視界が暗闇に閉ざされる。

(詠香!)

詠香に呼び掛けを行うと同時にマナへ手を伸ばす。

だが、風がトゥーナのそばを抜けたと思ったら、その手が空を切る。

「!」

《古代遺物の作動反応確認!な…なにこれ…何も見えない感じられないっ》

詠香の悲鳴混じりの声が脳裏に響く。

「なんだってんだ!」

づき、ソードメイスを抜き放つ。

気配を探るが、あたりの狼狽した気配にかき乱されてうまく行かない。

「くっ」

闇雲に走り出そうと片足を踏み出した所で唐突に闇が晴れる。

「マナ!?」

自分の傍らに居るべき銀髪の少女の姿が居ない事に、激しい焦燥感が混じった声を上げる。

《やられた…感知システムが全てダウンしたわ。現在復旧開始…》

いつもなら自分をなじるはずの詠香の声に張りが無い。

正直、何が起こったのか把握できて居ない。

最初の混乱は今もなお心に残る、まずマナが居ない事、そしてマナがいたずら心で自ら居なくなる可能性が低い事、詠香が機能障害を起こして居る事…。

それから導き出される結論はただ一つ。

「マナが誘拐された!」

ソードメイスを乱暴に格納する、ガキンッと言う金属のぶつかりあう音が辺りに響く。辺りを見ると、異国人の商人が開いていた露店から、露店主が三人居なくなっているのが分かる。

人為的な何かが、マナの姿を消した原因であるのは間違ない。

「くそっ!!!」

づき、自分の仲間達が露店を出して居る方向へと走り出す。

《どうするのっ!?》

詠香も自失から立ち直り、焦燥感に満ちた声で聞いて来る。

「みんなに知らせる、お前さんは回復したら即座にマナを感じられるか試すんだっ」

《分かったわ》

自分一人ではやれる事に限界がある、だとすれば仲間達を頼るしかない。

(絶対守るって言ったのに!)

未だかつて無い焦燥感に心を焦がしながらトゥーナは駆け出した。

その様子を物陰から見ていた者が居た、白髯を見事にたくわえた街の長老然とした老人である。

「ほっほっほ、始まりましたな。あの古代遺物は若菜のものかの、だがいかんせん出力調整が悪い、あれでは人為的な事であるとすぐに分かってしまうではないか」

教え子の不手際を講評する口調で呟いたのはハンゾウである。

「さて、黒崎、遣水、火原。かねてからの打ち合わせ通りにするのだ」

自然と周囲に集まっていた部下に指示を下す。

「はっ」

そのうちの一人が短く、鋭く答える。

「ワシも行くかの」

三人が居なくなってから、ハンゾウが呟く。

次の瞬間、その場には誰も居なくなっていた。

南条南条2007/12/21 23:55私信で申し訳ないのだけど、リガさんから師匠宛にメッセージ預かってるんだけど、メアドが違うみたいで送信できなかったんですわ。
なので、いつでもいいので私のほうにメール出してください。
メアドは変わってませんので。
よろしく(=゚ω゚)ノ

GeralynnGeralynn2011/11/23 14:35If your aritcels are always this helpful, “I'll be back.”

bdkalunvcmfbdkalunvcmf2011/11/25 00:14rRjEM4 , [url=http://ebgbajrnqvod.com/]ebgbajrnqvod[/url], [link=http://tkwndwhqcdwq.com/]tkwndwhqcdwq[/link], http://eflgvghfanpv.com/

knazqpqmkknazqpqmk2011/12/01 02:16Yt78at <a href="http://lizszoiyzfav.com/">lizszoiyzfav</a>

hgqlhvhgqlhv2011/12/05 02:424Zj9D7 , [url=http://xpuslrvchpqq.com/]xpuslrvchpqq[/url], [link=http://nzdhkawuqafh.com/]nzdhkawuqafh[/link], http://hypuppmwvihg.com/

2007-11-15むなむなダーと王子様・7

フェイヨン〝暁″城


第一王子イズチの居室〝カキツバタの間″。

その中央にある円卓には堂々たる偉丈夫が座っていた。

第一王子のイズチ、フェイヨンを継ぐ事が約束されている人物、そしてケドゥら遺物遣いの精鋭を率いる主君である。

その地位は、本人の実力によってでは無く、単にフェイヨン王家が変化を嫌う体質から、第一王子を無条件に跡継ぎにする理由で得ている。

イヅチの評価としては、豪快な性格であるが好色であり、その方面では、幾人もの女性を泣かせているようだ。

そして政策面では個人の武力があるために戦術能力が高いが、それ以外の分野にはあまり目覚ましい能力は見られず、第一王子と言う立場を乱用していると言う事が良く言われている。


その前に立つのが、忍者軍を率いる現忍者マスターのナツメ。

豊満な肉体を忍者鎧に包んだ、緋色の髪に意志の強そうなウグイス色の瞳をした女性である。

才能は子供の時からあるが、弱冠20歳で忍者マスターに任じられるのは異例中の異例である。

その理由はまことしやかに城内で囁かれているが、噂の域を出ない。

「…して。紅の闇が何を狙ったのか、未だもって不明と」

「はい、残念ながら」

イヅチの指摘に目を伏せて答えるナツメ。

「対象は、第二十監視所の警戒ラインギリギリから侵入し、フェイヨン街区に入り込んだ模様です。その後、大聖堂付近に出現したのを確認し迎撃しました。ですが、対象は古代遺物の力を発動しこちらの中忍三人を殺害し、逃亡しました」

「大損害だな、死んだ奴等はどうなった?」

「既に大聖堂の協力を得て蘇生しております。一人が死の記憶の影響で精神的に錯乱していましたが、徐々に回復しております」

「狙いは〝盟約の姫″か?」

「はい。なんらかの理由で大聖堂に〝姫様″が立ち寄る事が漏れていたのだろうと推測できます。今回の侵入も〝姫様″狙いであったと考えるのが自然です」

「ふむ、やはり盟約狙いか。しかし、実在したとはな…盟約を満たす者がな」

先王に口伝として聞いたその内容を、思考の中で反芻しながらイヅチが言う。

「今まさに、我が国にはその力が必要なのです。この時点で姫様が現れたのは天啓です。なんらかの手段でこちらが盟約を満たす必要があるのでは無いでしょうか?」

「しかし、それはちと性急過ぎないか?」

「いえ、既にプロンテラ王家が古代遺物から新兵器を製造していると言う情報もあります。ここで盟約を完成させて、他国から優位に立つのは必要な事です。」

珍しく慎重論を唱えるイズチに、ナツメは口調を強めて盟約の必要性を主張する。

組織の若返りを図ったと言う事で、自分達若い世代が台頭したが、それだけに後方へ経験豊富な世代が下がってしまい、絶対的な忍者軍の戦力は激減していると言っていい。そんな中で、ナツメが組織の再編のために何らかの起死回生の策を必要としているのは無理は無い。

ただ、問題がそれが焦りからの間違った判断をしているかもしれない、と言う事を二人が検証しているかについて、疑問が全く無いわけでは無い所だろう。

また、元々武断に偏る傾向にあるイヅチは強引策に頼る事が多い。

それが国内のものであれば多少の無理は効くだろう、しかしそれが分かって居ないのか外交にもそれを適用しようとし、重臣達の諌言を受ける場面が多く、不興を買った有能な重臣が左遷されたりと急速にフェイヨン中枢の空洞化が進んでしまっている。

「ふむ」

イズチ様、ご決断を。盟約の内容から考えて、イズチ様が盟約を成就させるためにふさわしい方かと思います」

ナツメが一歩前に出る、そして潤む目でやや上目遣いにイズチを見上げる。

幾度となくやってきたナツメの相手を籠絡する視線だ。

「む…」

案の定、まんざらでは無い表情になり何かを思案する表情になるイズチ。

「…その姫様は確か器量がいいのであったな?」

「…はい、花のように可憐と聞き及んでおります」

いつもの悪い癖が出た、と内心で舌打ちするが、それをおくびに出さずに答える。

何故、私だけを見てくれないのか、分り切った問いだがそれを何度と問い掛けてしまう自分が悲しい。

「盟約の内容である〝フェイヨン王家当主とシルバーファング家王女との契りにより、オーディンスフィアへの扉が開かれり″…今の危急の事態こそ、かの力を拓くべきでしょう。イズチ様のおわす時代に姫様が現れたのがその何よりの理由のはず」

そして、自分は何故好きな男が離れるような誘導をしていまうのだろう。

「そうだな、しかし。無理矢理と言うのはどうかと思うが」

大きく頷くイズチ。紳士的な事を言っているが、その瞳に女を得ようとする時の光がちらつく。

「守護者はいるのか?」

「はい、フェイヨン大聖堂の司祭でトゥーナと言う者がついているようです」

白々しいイズチの自己弁護を聞いて、その先にあるやり取りが脳裏に浮かぶ。

「親しいのか?」

「はい、半年程一緒にいるのが分かっております」

「ふむ、いつまでも下賤な者に王族を預けるわけには行かないな…」

一旦言葉を切ってから、ニヤッと笑う。

「そうだな、王族と一緒に居てもいいのは王族だな」

ブツブツと呟いてから、顔を上げてナツメを見る。

「忍者軍に命ずる、盟約の姫を我が前に連れてくるのだ。〝保護″をせねばな」

その表情は、王者の風格をもつ堂々としたものだった。

たとえ、その内容が歪んだものであっても、その風格は臣下を平伏させるのに十分なものだった。

「はっ。して、守護者の方はいかが致しましょうか?」

「好きにしろ、よしんば我らの仕業であったと分かっても、たかが司祭一人どうにでも出来る」

「畏まりました。朗報をお待ちください」

そう言って、一礼してイズチの前を辞するナツメ。


「首尾はいかがでした?」

忍者屋敷に戻ったナツメに、副頭領のミカゲが声をかける。

この者も組織の若返りによって、一番隊の隊長から抜擢されたクチだ。

「盟約の姫様を〝保護″する。各隊はかねてからの準備にかかれ」

「はっ」一礼し、姿を消すミカゲ。

(盟約を完成させて、私達は老人達からの呪縛から解き放たれる)

そう、決意に満ちた視線を遠くに固定しナツメは、姫様を捕らえた後の事を考えたのだった。


フェイヨン王家の中枢の二人が、それぞれに身勝手な事を考え、それを実行に移している。

二人は、それが成功すると疑っても居ない。

だが、一つ忘れている事がある。

自分達が標的にしたのは、冒険者達であった事を。

AshleeAshlee2012/03/26 01:38Cool! That's a cevler way of looking at it!

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